大変革期をどう「大玉」新規事業機会にしていくか トップのマインドセットとリーダーシップが鍵
日本企業は新規事業が下手なのか? このところ、GAFAMをはじめとするグローバル企業やアジア企業の元気さ、活発さに比べて、日本企業の新規事業の取り組みに勢いを感じられない。『新規事業着工力を高める』を上梓した著者が、大変革期に企業がどのようなスタンスで対峙すべきか、を論じながら、日本企業が、大変革期を「攻め」の機会、大玉新規事業機会につなげていくための要件について解説する。「新規事業はトップの仕事」などの、新規事業成功のための要諦のいくつかが、大変革期をビジネス機会としていくためには、特に重要であると指摘する。
2020年代は事業機会があふれる大変革期
2020年代は、経済面からは、激変の10年と言える。コロナ禍で幕を開け、当初は、その対応に焦点を当てざるをえなかったが、従来の資本主義経済の前提を覆す3つの大きな震源が相次いで出現した。
生成AI(AI)の出現は、飛躍的な生産性向上をもたらすとともに、労働力のあり方や企業の存立意義を問うものでもある。地政学リスクの高まりは、国境が低くなり世界がフラット化していくという今までの前提を根本的に変えてしまった(Borderful)。カーボンニュートラル(Carbon)への対応は、産業革命以来の大量生産大量消費モデルの根本的な見直しを迫るものだ。
この大変革の3つの要素、頭文字を取ってABCファクターは、企業にとって、従来のやり方に根本的な変更を求めるリスク要因と言える。同時に、企業、社会がこぞって対応策、解決策を求め、また、まったく違った競争原理が生まれる中で大きな差別化が可能になるため、大いなるビジネス機会をもたらす。
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