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「本社」から「新規事業」が育たない納得の理由 イノベーションが生まれる場所を図で考える

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  • 平井 孝志 筑波大学大学院ビジネスサイエンス系教授
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自身の例を振り返っても、やはりそうなのかなと思います。

2000年代はじめ、私はスターバックスの経営企画部門長の職にあり、新規事業開発室も管掌していました。ちょうどその頃、現在コンビニエンス・ストアで売られているチルド・ドリンク事業の立ち上げのための議論を、アメリカのスターバックス/サントリーと共に開始しました。

経営のど真ん中にいた私は、お店での「スターバックス体験」と、コンビニでのチルド・ドリンク事業の間にはミスマッチがあり、チルド・ドリンク事業は既存のお店のビジネスにはマイナスだという強い思いがありました。そして、当時は、あまり積極的に進めたいとは思っていませんでした。既存のお店の事業に近過ぎたから、そう思ったのかもしれません。

スタバを離れた今、お店もチルドも両方楽しんでいます(笑)。

蛇口とユーザー・イノベーション

先ほどの図の同心円に、あらためて原点に自社、特に自社の中枢である本社を置き、その周辺へと広げてみましょう。おおよそ次の図のようになるのではないでしょうか。

(著者作成)

自社の周りにはビジネス上のパートナーがいます。最近、流行っているオープン・イノベーションは、まさにこれらビジネスパートナーと一緒に起こすイノベーションです。

さらに周辺に視野を広げるとどうでしょう。そこには、自社とビジネスパートナーが一緒になって価値提供をする相手である顧客(ユーザー)がいます。距離の離れたユーザーはイノベーションにどのように関わっているのでしょうか。

意外に知られていないのですが、面白いことに、ユーザーもイノベーションを起こすのです。実は、ユーザーは価値を提供する相手というだけではなく、共にイノベーションを起こす仲間なのです。それを「ユーザー・イノベーション」と言います。

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【現在の洗面台の蛇口を考えたのは顧客?】

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