電動化と並行して、従来のクルマ好き富裕層のマーケットに向けた、多気筒エンジン搭載モデルに熱心なメーカーもある。たとえばロールスロイス、たとえばフェラーリ――。
2024年に、その名も「ドーディチ・チリンドリ(=12気筒)」と名付けたスポーツカーを発表したフェラーリでは、「少なくとも(EUの規制が入るといわれている)2026年までは、12気筒を作り続ける」としている。
背景にある考え方は、(おそらく)いたってシンプルだ。英語でいうところの“太陽が照っている間に干し草を作れ”である。12気筒とか8気筒エンジンの市場があるうちに、「作って売ろう」と考えていても不思議じゃない。
自動車ファンとしては感傷もある。たとえば、マイケル・マン監督の映画『フェラーリ』(2023年)には、12気筒や8気筒の快音を響かせる1950年代後半のレーシングカーが続々と登場してきて、「素敵だなぁ」と昔の自分の気持ちを思い出した。
ランボルギーニは、2023年夏に「ランザドール」と名付けたピュアEVをお披露目した。現時点ではコンセプトモデルだが、2028年には路上を走り出すという。
そのときに12気筒エンジンはどうなっているか。予測するのは難しいが、いまのところランボルギーニは、12気筒エンジンをフル活用している。
V12エンジン+モーター×2=1015馬力
新型車のレヴエルトは、これまでの12気筒モデル「アベンタドール」から、上記のランザドールへの橋渡しのような時期に、新開発をうたう12気筒エンジンを搭載して登場した。排気量は、6498.5cc。
しかも、2基の電気モーターも加勢するプラグインハイブリッドで、従来のいかなるモデルをもしのぐ1015馬力(746kW)の超パワフルなモデルとして。
レヴエルトで意識したのは、「技術とドライブフィールの関係だった」と、本社技術部門のトップ、ロウフェン・モア氏が語っている記事を読んだことがある。
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