メリットが多い?外国人「合宿免許に急増」のなぜ 外国籍の運転免許保有者数は10年で25%も増加

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日本人以上に安全運転の外国人ドライバーを育成することが役割でもあるジップラスだが、業務内容を反映してけっこうな多国籍チームなのである。

ベトナム、ネパール、中国、ノルウェー、ミャンマー……いろんな人たちが働いているのだが、お互いのやり取りは日本語というのが面白い。実はランさんとハンさんも同社のスタッフで、おもに合宿免許参加者への案内や手配などを行っている。

「自分も参加した経験があれば、お客さまにもちゃんとアドバイスができると思って」

と2人は話すが、彼女たちと合わせて8カ国34人が働く。日本人は14人だから、外国人のほうが多いのだ。その1人、ハンさんと机を並べるノルウェー人のルンド・ステファンさんは言う。

「いい意味で日本的じゃないところもある会社です。入ったばかりですが楽しくやってます」

ルンド・ステファン
「日本の文化や言語を学ぶのが好き」と話すルンド・ステファンさん(筆者撮影)

ネパール人のスレスタ・イスさんは同社で働き始めて1年半ほど。

「いろんな人がいて楽しいですよ。ふだんは日本語、英語、ネパール語を使って仕事をしています。働きやすい職場ですね」

スレスタ・イスさん
前職は英語の先生だったというスレスタ・イスさん。自分で免許を取るのはいまいち自信がないとか(筆者撮影)

外国人のパワーを会社の活力に変える

みんな日本語が堪能とはいえ、文化が違うのだ。チームとしてまとめるのはなかなか苦労もありそうだが、そのあたりの事情について、合宿免許を取りまとめるマネージャー・大﨑奈々さんに聞いてみた。

「そうですね、大変です。みんないろんな考え方があるので、意見が食い違ったときにどこに落としどころを持ってくるか、とか」

それでも、やはり異なる文化を持った人が一緒に働くというのは刺激があるようだ。

「新しいことにチャレンジしていくって社風もいいと思っています」

もう1人、外国免許切り替えのリーダーを務める服部樹佳さんは言う。

「外国人スタッフが相手だからこうしている、とかは別にないんです。より多くの人が、国籍ではなく人として見てもらえる社会になればと思っています」

外国人のパワーを、会社の活力に変えていく。ジップラスのような企業は、これからどんどん増えてくるだろう。

室橋 裕和 ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

むろはし ひろかず / Hirokazu Murohashi

1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住。現地発の日本語情報誌に在籍し、10年に渡りタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門のライター、編集者として活動。「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしている。主な著書は『ルポ新大久保』(辰巳出版)、『日本の異国』(晶文社)、『おとなの青春旅行』(講談社現代新書)、『バンコクドリーム Gダイアリー編集部青春記』(イーストプレス)、『海外暮らし最強ナビ・アジア編』(辰巳出版)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事