メリットが多い?外国人「合宿免許に急増」のなぜ 外国籍の運転免許保有者数は10年で25%も増加
ベトナムでもクルマは運転したことがなかったというハンさんとランさん、いろいろ苦労はありながらも教習所をクリアした。ランさんが苦笑いする。
「縦列駐車、ってあるじゃないですか」
僕もいまだによくミスるやつだ。ランさんも苦手だったというが、実技の卒業検定では練習以上に見事に駐車を決められたのだとか。本番に強いタイプなんだろう。
「でも、そのときにドアを開けますよね」
安全確認のアレだ。ところが折しもタイミング悪く激しい雨の真っ最中、上半身びしょ濡れになってしまったのだという。
「高速道路の教習のときもすごい雨で、トラックがどんどん抜かしていくし怖かった」
それでも道路を走るのは楽しいし、免許を取ったら友達と熱海に行きたいのだとランさんは言う。一方でハンさんも教習所を卒業したものの、実際にクルマを運転するかどうかは決めかねている。
「私、反応が遅いから危ないかも。免許は取りますが……」
神奈川県では免許試験が20言語に対応
ちなみに教習所での仮免許試験、免許センターなどでの本免許試験とも、学科は多言語で受験できるようになりつつある。神奈川県ではこの6月末から、英語、中国語、ベトナム語、ポルトガル語、タイ語、ネパール語など20言語に対応を開始した。
その理由は運送業界の人手不足だ。公益社団法人・鉄道貨物協会によれば、バス、タクシー、トラックなどのドライバーは、2028年度には27.8万人が不足するという。そこを外国人で補おうという動きがいまから広がりつつある。この4月から在留資格「特定技能」に自動車運送業も追加され、本格的に外国人ドライバーが参入してくることになった。
「合宿免許でも、タクシーなど『2種』を目指そうという外国人が多いんです」(小峯さん)
また、ジップラスでは母国の運転免許を日本のものに切り替える手続きもサポートしている。その際にはもちろん日本の交通ルールを理解しているか、実技での確認も行われる。
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