そして、甲府駅からは身延線というJR東海のローカル線も走っている。富士山の西麓を富士川に沿って南北に走る路線で、富士駅までを結んでいる。
どちらかというと富士駅側の印象が強く、静岡県の路線というイメージもある。が、実は県境は富士駅に近い稲子―十島間。身延線はほとんどの区間で山梨県を走っている。
八ヶ岳をバックに走る高原列車
甲府駅から中央本線の先を急ごう。ここまで東から西へと走ってきた中央本線は、甲府盆地から北西へと進路を変えてゆく。
一部の特急「かいじ」終点になっている竜王駅、武田勝頼の時代に新たな拠点とすべく築かれた新府城跡が近い新府駅などを経て、釜無川沿いを上流へ。標高が900mに迫ってきたところで、山梨県内の“終点”を迎える。その駅は、小淵沢駅だ。駅弁の「丸政」の拠点でもある。
小淵沢駅までやってくると、もう高原リゾートの空気に満ちあふれている。真夏の盛りに訪れても、心なしか東京都心と比べて涼しいような。少なくとも、アスファルトの照り返しよりは木々のざわめきのほうが目立つ町であることは間違いない。
小淵沢駅からはそのまま中央本線の旅を続けて信州に入ってもいいし、ローカル線のJR小海線に乗り換えてもいい。中央本線の旅ならば、信州に入ってまもなく諏訪湖のほとり。小海線は八ヶ岳の南麓、まだしばらくは山梨県内を走る。小淵沢駅を出て八ヶ岳をバックに大きなカーブを描くのは、いきなり訪れる小海線のハイライトだ。
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