いずれにしても、夏場の富士急行線は国内外の富士登山客で大にぎわい。今年から富士山は登山規制が行われているというし、クルマやバスを使う人も少なからずいるはずだ。
それでも富士急行線が富士登山ルートの一角をなす登山電車であるということは変わらない。富士山の五合目までは、富士山駅か河口湖駅からバスに乗り継いで、富士スバルラインを登ってゆく。
この富士スバルラインに路面電車を敷設する富士山登山鉄道構想があるが、是非をめぐって議論が続く。実現するとしても、だいぶ先のことになりそうだ。
駅前で信玄公がお出迎え
大月駅に戻り、中央本線の旅を続けよう。
中央本線は、山梨県に入るとまずは西に向かって一直線。しばらくは渓谷沿いを走り、勝沼ぶどう郷駅から甲府盆地に入る。勝沼ぶどう郷駅付近は標高約480m。そこから甲州市や山梨市のブドウ畑を車窓に見ながらじわじわと下ってゆき、標高約280mの県都・甲府市のターミナル、甲府駅にやってくる。
甲府駅は駅前広場で武田信玄公の像が出迎えてくれる。さすが信玄公の町、甲府である。駅のすぐ脇には甲府城もあるが、こちらは江戸時代になって築かれたお城で信玄公とは無関係。信玄公のお館は、甲府駅の北にまっすぐ行った先、いまは武田神社になっている躑躅ヶ崎館だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら