上海の日系老舗百貨店「梅龍鎮伊勢丹」が営業終了 27年の歴史に幕、消費者の百貨店離れに抗えず

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上海梅龍鎮伊勢丹の営業終了をきっかけに、中国のSNS(社交サイト)上では「外資系百貨店の相次ぐ撤退」が改めて話題になった。しかし中国の小売業界内では、百貨店の衰退は(外資系か地場系かにかかわらず)10年近く前から語られ続けてきたテーマだ。

中国で営業する伊勢丹ブランドの百貨店は、天津市の1店舗を残すのみになった(写真は三越伊勢丹ホールディングスのウェブサイトより)

中国の商業施設の歴史を振り返ると、その発展の初期段階においては、豊富な品揃えを売り物にする百貨店が当時の消費者ニーズに合致していた。

だが、時代の流れとともに消費者ニーズはどんどん多様化した。そんな中、相対的に狭いスペースに商品が詰め込まれた百貨店は、(ゆったりした空間に物販だけでなく飲食や娯楽サービスなどを組み合わせた大型ショッピングモールなどに押されて)次第に消費者の支持を失っていった。

個人消費の低迷が追い打ち

業界団体の中国百貨商業協会が2024年3月に発表したレポートによれば、中国の百貨店業界は「個人消費の低迷」、「経済成長の減速」、「オンラインショッピングの急拡大」などの逆風にさらされている。

と同時に、高い経営コスト、低い利益率、来店客数の減少、新規集客の難しさなど、百貨店業界が抱える構造的な経営課題についても(レポートは)指摘した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

梅龍鎮伊勢丹に出店していた高級スキンケア用品ブランドの店員は、財新記者の取材に対して販売現場の実態を次のように語った。

「ネット通販サイトの価格競争が激しくなる中、実店舗も(対抗して)値引きキャンペーンを繰り返している。それでも成果は上がらず、消費者の財布のひもが堅くなったのを実感する」

(財新記者:牛牧江曲、包雲紅)
※原文の配信は6月30日

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