「健康食品」で失敗しないために知っておきたい事 「紅麹サプリ」で増える死者数、検討会の設置も

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機能性の科学的根拠は、消費者庁のホームページで確認することができる。パッケージや広告だけで判断するのではなく、購入する前に確認しておきたい。

今回の紅麹の問題は、決して他人事ではない。

東京都が実施したモニターアンケート調査「健康食品に関する意識や認知度等」(令和4年度)では、1種類以上の健康食品を利用していると答えた人の割合は37.6%(1種類は21.2%、2種類は7%、3種類は9.4%)だった。「以前利用していたが現在は利用していない」は28.3%で、あわせて65.9%がこれまでに健康食品を取ったことがあった。

そのうち、「基礎疾患がある(あった)」と答えた人が41.5%で、その約7割が医師や薬剤師などの専門家に健康食品を取っていることを伝えていなかった。

だが、基礎疾患のために薬物治療を受けている人こそ注意が必要だ。

「一緒に使うと、医薬品の作用が弱まったり、強くなったりすることがあります。医薬品と同じ『作用機序』を持つものもあり、同時に取ることで医薬品の副作用が出やすくなることもあります」(千葉氏)

特に、錠剤やカプセルのようなサプリメントは容易に取れるため、多く取れば効果が出やすいと思って、用法用量を守らず過剰摂取してしまうことがある。ほかにも、複数の製品を取った場合、同じ成分がそれぞれの製品に入っている場合もあり、知らないうちに過剰摂取をしてしまうこともありうる。

薬を健康食品に置き換える危険性

もう1つ問題なのは、治療が必要なのに「これを飲んでおけば大丈夫」と自己判断して、トクホや機能性表示食品に置き換えている人だ。

「高血圧症も糖尿病も初期の段階では自覚症状がなく、病院に行って医薬品をもらって飲んでも体調などに変化が出ません。だから、サプリメントに置き換えてもいいかと、その時点では思われるかもしれませんが、医薬品での治療をやめてしまうと、将来、重症化してしまうこともあります」(千葉氏)

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