世界の時価総額ランキングトップ20を見ると、35年前の1989年にはなんと14もの日本企業がランクインしていた。バブル経済の絶頂期であり、「Made in Japan」がもてはやされた時期だった。
しかし、そこを頂点に、日本企業の存在感は下降の一途を辿る。
20年前の2004年にランクインした日本企業は、すでにトヨタ自動車(15位)のみという状況だった。
そして、2023年にはトップ20から日本企業の名前は消えた。日本経済を牽引してきたトヨタ自動車でさえ52位である。
米国は「トップ20に入る企業」が増えつづけている
驚くのは、アメリカ企業の圧倒的存在感である。1989年にはわずか5社だったが、2004年には13社が、そして2023年には16社がランクインしている。
2023年の上位にはアップル(1位)、アルファベット(4位)、アマゾン・ドット・コム(5位)、テスラ(7位)、エヌビディア(8位)と躍進目覚ましいフレッシュな企業が名を連ねるが、じつは本当の驚きはそこではない。
ランクインした16社のうち、なんと6社は「2004年にもランクイン」しているのだ。
その名を挙げると、
エクソンモービル(10位)
JPモルガン・チェース(15位)
ジョンソン・エンド・ジョンソン(17位)
ウォルマート(18位)
プロクター・アンド・ギャンブル(20位)
といった老舗のエクセレントカンパニーだ。
企業の入れ替わりが激しいなかで、こうした老舗企業群はしたたかに、そして、たくましくビジネスモデルを変えながら、エクセレントでありつづけている。
なぜ日本企業はこの20年、ずるずると後退を続けたのか。
さまざまな理由が考えられるが、致命的な理由が2つある。
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