最高値を更新した日本株の上昇は今後も続く ただし短期では強弱感対立による激しい攻防も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ただし、ボリンジャーバンドの指標の欠点は、売りシグナルを出しながら、それがときとして一定時間持続することだ。この状態をバンドウォークという。この状態になると、ボリンジャーバンドを駆使して出した10回の利益を1回で失うような、逆張り投資家の典型的な失敗例となる。大相場のときに出やすい現象だ。

その点、移動平均乖離率はもっとわかりやすい。もし、株価が下がらなくても、株価の落ち着きとともに、どんどん0%乖離に近づき、再び買い戻しのタイミングが来ることもある。

今週の日経平均は強弱感が対立?

現在の相場は、今まで本欄で何度も書いてきたように、このデフレ脱却相場がインフレ相場に膨張していくまで、場合によってはバブルが発生するまで続く。中途半端な形で天井を打つとは考えられない。従って日経平均4万円は通過点であり、筆者は2025年前半(場合によっては2024年末)に5万円は付けると思っている。

ただ今週については、上げの原動力となった日本株への再投資パワー」の反動とも言えるETF(上場投資信託)の分配金捻出の売りや、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用する資産のリバランス売りも出るだろう。

これらはすでに予想されていることであり、相場にかなり織り込まれているため、こうした理由による急落の可能性は少ないだろう。それでも日経平均は6月末からの5連騰で1500円超の上げを演じたこともあり、強弱感が対立、激しい攻防戦も予想される。

それこそがサマーラリーであり、これまでどおり日経平均やTOPIXの高値更新に力を発揮している日立製作所・三菱重工業・メガバンクといった重厚長大のバリュー株や、半導体中心のハイテク株の押し目を交互に買うのが王道だろう。

だが、そろそろ4~6月期決算発表に備え、最新の『会社四季報』の独自予想をチェックし、中小型の個別株を吟味したうえで資金を分散してもいいのではないかと思っている。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事