「臭い」の言葉にも負けず、「し尿収集」職員の奮闘 「災害時のトイレ対策のスペシャリスト」になる

✎ 1〜 ✎ 27 ✎ 28 ✎ 29 ✎ 30
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

収集業務は便槽にホースを入れるだけに見えるかもしれないが、細やかにホースをコントロールする技術が必要だ。

便槽の中にホースを入れ、し尿の表層と同じ高さにキープするが、吸引力が強いため結構な腕力がいる。かなり速く吸引されるため、表層の位置が下がっていくのに合わせて高さをキープしなければならない。

ホースを固定しながら吸引していく
ホースを固定しながら吸引していく(写真:筆者撮影)

吸引が弱くなったと感じたときは、いったんホースを汚物から外し、空気を吸い込ませてホース内の汚物をタンクへ送る。その際には「ゴロゴロゴロゴロ」という音が響いてくる。

やがてタンクの中に汚物が入ると「スーーー」という音に変わる。この「息継ぎ」が終われば再度、汚物の表層にホースを近づけて吸引作業を続ける。

生理用品やカイロが入っていることも

便槽にはし尿やトイレットペーパーがあるが、生理用品や冬場はカイロが入っていることもある。カイロは吸い込めないため、汲み取りの依頼者に処理を依頼するが、対応が難しい場合は別途収集することもある。

収集作業にあたる前田氏
収集作業にあたる前田氏(写真:筆者撮影)
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事