私が「受験競争」を子どもたちに勧める理由 精神科医から見た「建設的な競争」

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要するに、子ども時代になんらかの形で勝つ体験をさせて「勇気づけ」をさせた後、うまい方法論を教えて、勉強でも勝つ体験をさせれば、かなりの確率で、少なくとも受験における勝ち組にはできるのだ。

今は、親の学歴が高い層のほうが子どもの学歴が高くなる傾向が強いため、素質論(アドラーの言う、「どうせ勝てない」劣等コンプレックスの一種である)が蔓延しているが、これだって親が高学歴のほうが子どもにいい勉強のやり方を教えられるし、お金もかけられるというだけの話である。

私の主宰する緑鐡受験指導ゼミナールという受験勉強法の通信教育なら、年間20万~30万円しかかからないで、東大生が志望校別の勉強法や参考書選びの対策を教えるのだが、無名校から東大や医学部合格が続出している。

私は、方法論を学ぶことが、受験勉強に限らずそのほかの資格試験を含めて、自己流で勉強するよりはるかに結果につながると信じている。また、結果を出すほうが、さらに健全な自信につながったり、周囲から認められやすくなり、健全な自己愛が満たされると考えている。

実際、和田式受験勉強法でそれなりの大学に合格した、あるいは、元の偏差値よりはるかに高いレベルの大学に合格した人は、その後の人生においても、うまいやり方を見つけることで成功者になることが多い(『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』の著者である河野英太郎さんが自分もその1人だと、私にあいさつして下さったときは嬉しかった)。

要するに、勇気づけや自信を建設的なものにするには方法論が大切なのだ。

もちろん、起業などにおいては、何がうまくいくかわからないし、方法論も確立していないかもしれない。しかし、それにしても、失敗の損失を小さくして何度でもチャレンジできるようにしておくなど、成功者の方法論(多くは著書になっている)は役立つことが多いはずだ。

嫉妬は競争の原動力

ただ、これまでの教育の問題で、成功体験がもてなかった人や、あるいは、周囲にうまく認められない人の中には、あまり健全でない劣等感を持ち続けたり、あるいは、自己愛が傷ついているために世を恨んだりする人も少なくない。

劣等感はアドラーの言うように、ものすごいパワーを持つものだ。それが人間の頑張る原動力にもなるが、ある種の攻撃性のタネにもなる。

人間が人に負けているときに感じる不快な感情のことを一般的に嫉妬と呼ぶが、精神分析の世界では、それを2つに分けることが多い。

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