ソフトバンク元副社長が自戒「老害三原則」の中身 人間には持って生まれた「残念な特質」がある
その意味で、私の「老害三原則」は、何らかの役に立つかもしれません。
成功体験の罠
私の「老害三原則」の第二項目は「成功体験へのこだわり」ですが、これは結構深刻な問題です。これは、前項で述べた、一部の選ばれた「偉い人」だけにあてはまるものではなく、ごく平凡に仕事人生を生きてきた普通の人たちにも当てはまるものです。
平均的な大多数は、「オレ、自慢じゃあないけど、『偉い人』になんかなったことはないよ」と心の中で思い、前項に書かれていることに対しては冷ややかな思いを持たれたかもしれませんが、こちらの方は万人に深く考えて頂かなければならないことです。
人間は弱いもので、失敗したことにはついては、どうしても「早く忘れてしまいたい」という心理が働き、「失敗にこそ学ばなければ」という余程強い意志がないと、実際にすぐ忘れてしまいます。
逆に成功したことについては、ついつい自慢話をしたくなってしまい、自慢話をしているうちに、ますますその快感が膨らんでしまいます。挙げ句の果ては、「またあの話か」と、周囲から密かにうんざりされる、残念な人になってしまうのです。
しかし、それで済むのなら、まああまり害はありませんが、本当に有害なのは、その成功体験とは異なるアプローチを、初めから否定してしまうケースが、こういう人にはままあることです。
時代はどんどん変わっていき、過去には通用したやり方が全く通用しなくなってしまっていることはしょっちゅうあるのに、これに気づかずに、過去の成功体験にこだわり続ける人が、枢要なポジションに居続ければ、これは大問題です。
「やっちゃあいられないよ」と考える人が続出し、組織はやがて壊滅してしまいます。
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