新しい勝ちパターンはアナロジーで生まれる--『アナロジー思考』を書いた細谷功氏(クニエ マネージングディレクター)に聞く

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──こういう思考力は鍛えられるのですか。

『地頭力を鍛える』というタイトルは自己矛盾ではないか、と言われもした。鍛えられないものが地頭力ではないのかと。しかし、「力」と名の付くものはいずれも鍛えられると思っている。

体力や精神力にしても、かなりの部分は生まれで決まっている可能性はあるが、潜在的なものにはいずれも伸びしろがある。持ってはいるものの、使っていない部分が誰にでもあって、その部分をフルに発揮すれば伸びるはずだ。野球部に中学や高校のとき3年間いた人といなかった人では差が出るようなものだ。その素質プラスの眠った部分を目覚めさせることが大事だ。

──そこでも抽象化が必要?

すべて似ているものがたくさんあると意識するところから始まる。純粋にインプットとアウトプットを近づけなくてもいい。それに、アナロジーが面白いと思うほど、いろいろなものが見えてくる。

ほそや・いさお
1964年生まれ。東京大学工学部原子力工学科卒業。東芝のエンジニアを経てアーンスト&ヤング・コンサルティング(クニエの前身)に入社。以来、製造業を中心として企業の戦略策定や仕組み(業務プロセス、組織、IT)の改革、M&A後の企業統合などに関するコンサルティングに従事する。

(聞き手・本誌:塚田紀史 撮影:尾形文繁 週刊東洋経済2011年9月10日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


『アナロジー思考』 東洋経済新報社 1680円 255ページ


  
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