「Vision Pro」世界展開で改めて俯瞰するXR業界 生成AIとセットで進化する空間コンピューター

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

オーディオの空間表現技術が進歩し、空間オーディオ、オーディオレイトレーシングなどの技術要素は、一般的に使いやすいものになっている。3Dモデリングもカジュアル化し、誰もが使えるツールとしてBlenderが普及。モデリングスキル習得のハードルが大幅に下がっている。さらにフォトグラメトリ、点群3Dスキャンといった技術の進歩で、シーンのモデリングも容易になり、映像制作におけるバーチャル制作の普及といったトレンドも考慮すると、ハードウェアを取り巻くソフトウェア環境も着実に整ってきている。

空間コンピューターに進歩をもたらす生成AI技術

生成AI技術も、空間コンピューターに対しては大きな役割を果たすと見ている。音声入力など自然言語インターフェースの劇的な質の向上は、ユーザーインターフェース技術の革命的な進歩をもたらすきっかけになるはずだ。利用者の日常的な使い方や、個人的に管理している情報を学習して高精度な提案を行う技術も、アップルがApple Intelligenceとして提供を始めようとしている。

各種データの空間化においても、不足するデータをAIで容易に保管することができる。将来は生成AIを用い、リアルタイムで空間描写の補完や超解像による自然な描写といったプロセスがデバイスにも入っていくだろう。

AIとのコンビネーションで真価を発揮する新しい可能性が空間コンピューテクングだ(著者作成)

新しいデバイスと考えられてきたスマートフォンでさえ、既に15年を超える歴史がある。その中でマルチタッチユーザインターフェースは揉まれてきた。ではスマートフォンですべてをカバーできているかといえば、決してそうはなっていない。

空間コンピューターもスマートフォンの基礎になっているマルチタッチユーザーインターフェースと同様に、新しい人間とコンピューターの関係を作るジャンルとして従来のコンピューティングの流れにプラスする形で定着していくのではないかと予想している。

本田 雅一 ITジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事