「インド映画ブーム」火付け役語る"映画の目利き" ロッタちゃんも仕掛けた江戸木純氏の発掘力

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日本では続編の『はじめてのおつかい』を最初にやったんですけど、その後に1作目の『赤いじてんしゃ』も観たいという声があがったんで、続けてやることになって。ほぼ1年ぐらいやりました。その前にやった『ムトゥ 踊るマハラジャ』も含め、ビギナーズラックみたいなものでしたね。

――ロッタちゃんといえば、相棒となるブタのぬいぐるみ“バムセ”が有名です。2000年の日本初公開時には全国の上映劇場で売切れが続出したそうですが。

実はこの映画を2000年にやることになったときに、スウェーデンに行ったんですけど、そこに「アストリッド・リンドグレーン・ヴェールド」というテーマパークがあって。映画もそこで撮影したんですが、そのセットも全部残っていて。

そこの売店に豚のぬいぐるみがバーっと山積みになってて。これを日本で売りたいなと言ったら、全部買ってくれるなら売ってあげるよと。3000個あったんで、どうしようかなと思ったんですけど、共同でやってた人たちに相談したところ、買っちゃえということになって。

ロッタちゃん バムセ
『ロッタちゃん』シリーズの劇中で、ロッタちゃんが肌身離さずに一緒にいた頼れる相棒「バムセ」のぬいぐるみ。㈱サン・アロー

買ったんですけど、実際に船でやってきたら部屋に入りきらないくらい大量の箱が来ちゃって。仕方なく倉庫を借りたので、すごくお金がかかってしまった。これはマズいなと思ったんですけど、でもそれを実際に映画館で売り始めたらものすごい売れ行きで、3週間でなくなっちゃった。それでもっと欲しいと言ったんですけど、もうないと言われて。

それで日本のサン・アローというメーカーの方がその光景を見ていて。つくれませんかと言ってくれたんで、そこでライセンスの契約をしてもらってつくったら、それも爆発的に売れちゃって。

そういうこともあって今回の上映に合わせて、もう一度つくってもらったんですけど、それもまた売り切れちゃった。なんでたくさんつくらないんだと配給会社が怒られるという(笑)。

ロッタちゃんは3人の子どものお母さん

そういうようなことはありつつも、今回も観た人たちにすごく喜んでもらえたんで。やった甲斐はありました。映画自体はできてから30年ぐらいたつんですけど、ロッタちゃんを演じたグレテ・ハヴネショルドさんは今、実際に3人の子どものお母さん。一番下の子が今ロッタちゃんぐらいの年齢なんですよね。

今回の上映でも世代を超えて、昔、映画館に来てくれた人たちが子どもとか孫を連れて観に来てくれたり、というところがあったんで。それもすごくよかったなと思いますね。

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