「議論する価値ない会議」を開く人に欠けた視点 良い論点とダメ論点は何がどう違っているのか

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2つ目は、「的はずれ」系論点について。例えば、「どのように我々は移転するべきか?」とか、「オフィス需要の動向は?」とか。いずれも、仮の解も出しにくいですし、無理やり解を出したとしても、会議目的の達成に貢献するのか不透明です。高尚な問いのように見えるので、シニアな方が言い始めると身構えてしまいますが、よく考えれば、「的はずれ」な問いです。無駄に会議時間を使わせることになりかねません。

「答えやすいか?」→NO、「答えて意味があるか?」→NOという組み合わせがこのパターンに当てはまります。

3つ目は、「会議目的の裏返し」系論点について。例えば、「どこに我々は移転すべきか?」とか、「我々にとって理想的なオフィスとは何か?」とか。いずれも、解が出れば会議目的の達成に貢献しそうですが、仮の解も出しにくいです。むしろ、それらの解を導出するために会議という場で議論するわけで、「会議目的の裏返し」のような問いです。おそらく、このような論点を提示しても、議論は停滞するだけでしょう。

「答えやすいか?」→NO、「答えて意味があるか?」→YESという組み合わせがこのパターンに当てはまります。

「良い論点」に共通するパターン

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このように考えると、「良い論点」とは、「答えやすいか?」→YES、「答えて意味があるか?」→YESという組み合わせのパターンといえます。

「答えやすい」というのは、自分で仮説が出せるということ。そして、「答えて意味がある」というのは、解が会議目的達成に貢献するということ。

先の例ならば、「オフィス移転を検討するうえでの優先事項は何か?」とか、「予算の上限はいくらか?」とか。いずれも、自分の仮説は出しやすく、解があれば、会議目的の達成に貢献します。2軸にもとづき、相対的に「良い論点」を設計しましょう。

田中 大貴 M&A戦略コンサルタント、MAVIS PARTNERS プリンシパル

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たなか だいき / Daiki Tanaka

早稲田大学商学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社、その後、ジェネックスパートナーズ、マーバルパートナーズ(現PwCアドバイザリーのDeals Strategy部門)、ベイカレント・コンサルティングのM&A Strategy部門長を経て現職。一般社団法人ポストM&A研究会 代表理事、グロービス経営大学院にてファイナンス講師も務める。

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