大塚家具、お家騒動は出来レースだった!? 中国バブルと大塚家具、2つの「俗説」を斬る

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仮に中国の個人投資家がこの相場で大損しているとしても、年収2000万円以上という金持ち層の人口はすでに日本より多く、1億人以上いると言われていますので、そのうちの半分の人が今回の株価下落で破綻したとしても、まだ5000万人はいるわけですからまあ、大海の一滴という程度の影響でしょう。

バブルにもいくつかパターンがありますが、今回の中国の株式市場の場合、まさに買いが買いをよぶ、という古典的なバブルのパターンで、市場としてはまだ極めて初歩段階にあることを示したと言えます。

「中国当局も大したことがない」のがバレバレ

アメリカで言うと1920年代、われわれが1989年に経験したことに比べれば、問題の根深さははるかに軽微と言えるでしょう。

ましてさまざまなデリバティブのポジションやレバレッジが強烈にかかった2008年の金融ショックに比べればかわいいもので、多くの中国人が株式市場はこういうリスクがある、と学んだと後で言われるかもしれません。

今中国政府がやっている政策を見ても、上がるから買う、下がるから売る、という相場には何をやっても焼け石に水であることは、先進国ならばみな経験済みで、こういう時は一度放っておく、という鉄則があるわけです。相場の勢いには誰も勝てないので、やるならひと通り騒動が終わってから介入するしかないのですが、火中の栗を拾いにいっているあたり、中国金融当局もまだまだですな、と言うところでしょうか。

株価が暴落するといっても、2008年のアメリカにおける金融危機のように、マクロ経済そのものに多くの景気後退要因が出ていたり、金融秩序そのものが危機に瀕している、という事態ではないのですから、リーマンショックの二の舞だ、となどということは有り得ません。

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