「ジャッキー・チェン」が語る"70歳からの仕事観" 日本への思い、有名なNG集の誕生秘話も聞いた

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だからこういった場面も観客の皆さんに見せるべきだと思ったんです。何十年も前からこういったNGシーンをエンドクレジットのところに入れて上映するんですけれども、このNGシーンというのが、時には本番のシーンよりも人気があることもあるんですよね(笑)。

よく海外の映画館で映画を見ると、どんな名作であっても、最後のエンドロールがはじまると、みんな席を立っちゃうじゃないですか。でも僕の映画だけは例外。みんな最後まで残ってくれるんです。

「自分には映画しかないと思う」

――スタントマンに敬意を表した今回の映画は、その過去のNGシーンがなければ成り立たなかった映画だと思いますし、そのシーンがあったからこそ、ジャッキーさんがどれだけ命懸けでアクションに挑んできたのか、ということをあらためて感じられて感動的でした。

ありがとうございます。アメリカのスーパーヒーロー映画なんかはNGシーンは絶対にないですよね。いわゆるグリーンバックで人物を撮影して、あとはCGで合成するわけなんで。

もちろんわれわれの映画も、最近はコンピュータの力を借りるということもあるんですが、それでも基本的には全部、本物のアクションをやるわけです。そうした本物のアクションならば、絶対にNGのシーンも出てくる。そうすると自然に、見応えがある映画になるんです。

ジャッキー・チェン ライド・オン
今年は1979年に日本で初公開となったジャッキー映画、「ドランクモンキー 酔拳」の公開から45年。その後、日本でも空前のジャッキーブームが巻き起こった。(撮影:今祥雄)

――おっしゃるとおり、本作のテーマも"スタントマンの誇り"というものでした。劇中のセリフで「飛ぶのは簡単だが、やめるのは難しい」というものがあり、それはスタントマンの心得のようなところで使われた言葉だと思いますが、それはおそらくジャッキーさんの仕事観だったり人生観にもつながってくるのではないかと思うのですが。

今年はぼくが映画の世界に入ってちょうど63年目という年なんですけれども、映画以外で自分にできることはあるのだろうか? と考えると、きっと自分には映画しかないと思うんです。

ただし映画といってもいろんな仕事がありますよね。たとえば小道具、照明、撮影、メイク、脚本、アクション、監督と、どの部門の仕事でもできると思うんです。だからスクリーンの前に役者として出なくなったとしても、裏方の仕事はおおむね全部できると思います。

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