「ジャッキー・チェン」が語る"70歳からの仕事観" 日本への思い、有名なNG集の誕生秘話も聞いた

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それと同時に、実は今、北京にある学校でたくさんの人材を育てているんです。おそらく将来的には、この中から何人かはスターとなっていくでしょう。あるいは才能あふれるアクション監督になる人もいるでしょう。そういう願いを込めて今、一生懸命指導しているところです。

――先ほどのNGシーンなどを見ていると、スタントマンをはじめとしたスタッフの皆さんと和気あいあいと撮影している様子が見てとれます。

実は彼らは全員、ジャッキー・チェン・スタントチーム(以下JCST)に所属する僕の弟子なんですよ。今は10期目なので、全部でおそらく100人以上のメンバーがいるんです。

たとえばこの映画のアクション監督も、JCSTの4期生か5期生だった人ですし、今度の『ベスト・キッド』新作のアクション監督もJCSTが担当しています。

そして(『ライド・オン』)ラリー・ヤン監督とはまた一緒に撮ろうということになっているんですが、そのアクション監督もJCSTの7期生。今、アジアで映画のアクションシーンを撮るとなると、大体このJCSTのメンバーが担当しています。

ジャッキー・チェン ライド・オン
70歳を超えてなお、軽快な動きを見せるジャッキー・チェン氏。(撮影:今祥雄)

以前はJCSTのメンバーは僕の映画にしか出なかったんですが、今はいろんな映画で活躍しています。たとえば『キングスマン』や『ヘルボーイ』といったハリウッド映画を担当したスタッフもいますし、彼らは世界あちこちで活躍しています。

アクションがないシリアスな作品も挑戦

――本作でも年齢を感じさせないアクションを披露していますが、ジャッキーさんとしては生涯現役への思いはどう考えていますか?

ファンの皆さんならもうおわかりだと思いますが、ここ15年ぐらいは自分のアクションも昔とは変わってきていると思います。だからファンの皆さんに知っておいてもらいたいことがあります。

ジャッキー・チェンは、アクションもできる"俳優"なんです。たとえば『ベスト・キッド』『新宿インシデント』『ザ・フォーリナー/復讐者』といった作品は、アクションにプラスして演技・芝居を見ていただける作品だったと思います。それから今後、まったくアクションのないシリアスな映画も予定されています。

だから今後、ドラマやアクションだけでなく、アクションコメディ、あるいはアクションドラマなど、おそらくいろんなジャッキー・チェン映画をスクリーンで見ていただくことができると思います。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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