「2浪3留京大」人力車に情熱注ぐ彼の豊かな生き方 数学が苦手なのに理系志望、彼が貫いた信念

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「1年通して、バランスよく学習することを心がけた」この年は、ついに秋の模試ではA~B判定をとれるようになります。自習室で苦手科目であった数学・物理・化学をひたすら突き詰める日々を送ったこの年のセンター試験は、数学も158/200点と粘り、全科目合計で87.4%を記録。

併願で受けた慶応の理工学部と同志社の理工学部も合格し、自信を深めて受けた3度目の京大受験は、終わった瞬間に「受かったな」と思えたそうです。

こうして、ついに竹林さんは2浪で京都大学の工学部電気電子工学科に合格し、進学しました。

「『やった、受かった!』というよりは安心しましたね。周囲の浪人した友達からすると、『そりゃ1年余計にしてるから受からないといけないだろう』という感じだったので。みんなは現役で受かることをゴールにしているから1浪で済むのですが、僕は1浪をゴールにして挑んだから、2浪したんだと思います」

憧れだった京都大学に入れた竹林さん。彼は浪人してよかったことを「京都での大学生活を後悔なく送れていること」、頑張れた理由を「自分のせいで追い込まれてしまったから」と語ります。

「街も自然も文化もある京都での大学生活はめちゃくちゃ楽しいです。でも、それを楽しむことができているのも、第1志望の京都大学に入れたからだと思います。高校の同期で京都に出てきている人は京大生ばかりでした。すでに京大に入っていた彼らの様子をSNSで見ていてとても楽しそうだったので、浪人してからさらに京都大学に行きたいという気持ちが強くなりました。きっと、第2志望の大学に進んでいたらコンプレックスを抱いて後悔したと思うので、2浪してでも京大に進学できて本当によかったなと思います」

現在は在学しながら、人力車でアルバイト

現在京都大学工学部電気電子工学科の6回生の竹林さん。「学力が足りないことと、ほかに面白いことがありすぎること」から3留目に突入したそうですが、憧れだった京都大学に入り、楽しんでいる様子が話しぶりからも伝わってきます。

濱井正吾 浪人 京都大学
多趣味な竹林さん。さまざまな趣味を満喫している(写真:竹林さん提供)

今、彼は「人力車えびす屋」の京都東山店で多い時は月に25日出勤してお金を稼いだり、そのお金で毎回違う友達を連れて自転車で47都道府県を旅したり、コロナの時期に「名前も職業も出身も知らない“友達”と気兼ねなく話せるコミュニティ」として銭湯にはまって銭湯サークルを作ったりするなど、京都大学生活を謳歌しているそうです。2023年冬には自身の生活の様子を配信するYouTubeチャンネルも始めました。

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