算数レベルのミス続発「伝説の東大入試」がこれだ 「小学校で習う割合」は東大受験生でも間違える
本来はグラフがある問題なのですが、今回はよりシンプルに考えてもらうためにグラフをカットしています。要するに、1970年代前半に日本で生まれる子供の数が多かった理由を答えなさい、という問題です。
さて、指定語句が与えられていますので、これを使えばだいたい方向性を考えることができます。
「戦争」というのは第2次世界大戦のことですね。1940年代後半、戦争から戻ってきた人たちがたくさん子供を持ち、日本では第1次ベビーブームが発生しました。このときに生まれた人たちを「団塊の世代」と言います。「世代」という指定語句はここで使えそうですね。
そして、その団塊の世代が20年経って大人になって、親世代になったことによって発生したのが、今回の問題になっている1970年代前半の第2次ベビーブームになるわけですね。
この「団塊の世代」という言葉も含めて、この内容は中学の社会の授業で習う言葉です。ですから、中学までの知識で普通に考えるとこんな解答が作れるのではないでしょうか。
どこが間違っているのか?
こんな解答を思い浮かべた人は多いのではないでしょうか? この問題、こういう解答をする受験生はかなり多かったですし、先ほども言ったとおり、僕もこんな答えをしていました。
ですがこの解答は、明らかな間違いを含んでいます。小学校の算数の知識的に言って、この答えは間違っているのです。さて、どこが間違いだかみなさんは指摘できますか?
答えは、「出生率」という言葉です。指定語句にもなっているこの言葉の使い方が、根本的に間違っているのです。
おそらく多くの人が、この「1970年代前半に子供が増えた理由」という問題文と指定語句の「出生率」を見て、こう考えてしまったことでしょう。
「ああ、1970年代前半に出生率が多くなったのはなぜか答えなさい、って問題なんだな。だから、答えるときは『〜という理由で出生率が上昇したため』と書けばいいんだろうな」
でも、これが間違いなのです。なぜなら、出生率はそれほど上昇してはいないからです。
「え、子供が増えたって書いてあるじゃないか」と思うかもしれませんが、これがポイントなんです。小学校の算数をあやふやなままで終わらせていると、この「子供が増えた」と「出生率が上昇した」の違いがわからなくなってしまうのです。
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