ミセス「コロンブス」炎上を"初歩的"と笑えぬ理由 初歩的なミス?文化や歴史認識のギャップはこうして起こる

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(写真:『Mrs. GREEN APPLE』公式YouTubeより引用)

3人組バンドMrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)が6月12日に公開した新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(以下MV)に人種差別的な表現あるとして炎上した。

本楽曲はコカ・コーラのキャンペーンソングとしてリリースされていたが、同社は当該楽曲を使用した広告素材の放映を停止している。さらに、TBS「CDTVライブ!」の出演も見合わせる事態となっている。

MVの内容は、メンバーの3名がコロンブス、ナポレオン、ベートーベンと見られる歴史上の人物に扮し、類人猿に文明を伝えるというものだ。この表現は「問答無用でNG!」と言える不適切なもので、Mrs. GREEN APPLE側を擁護する意見はほとんど見られない。

ただ、このケースは決して特殊な事例とも言えず、これからも同様の問題が起きる可能性はある。今回の件から学ぶべき点は多く、それについて考察してみたい。

ミュージックビデオの何が問題だったのか?

「コロンブス」のミュージックビデオの問題点は下記である。

1. コロンブスに対する歴史的評価
2. 先住民族支配を想起させる表現

上記の2つは表裏一体であるが、論点を明確にするために、あえて分けて見ていきたい。

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