「大谷豪邸報道」「ポツンと一軒家」に覚える"不安" 上空から自宅を映すことの危険性を日本人は知らない
家の全容を映すことは、犯罪者からするとその構造が丸わかりになることでもある。今回の報道で流れた映像も、建築物に精通した者が見れば構造が手に取るようにわかってしまう。
例えば、これほどの大きな家の場合、住人は出入り口を使い分けていることが多い。上空から俯瞰して見ることで、普段どこを使っているのか、そしてガードマンをつけているのか(ガードマンボックスの有無)、ガードマンがいるとしたらどこにいるのかもわかってしまう。
防犯カメラについても、上空から見た場合、どこに設置されているのか確認しやすい。ドーム状のものであれば360度映るため死角は発生しづらいが、箱型の場合は死角が生まれるため、それがわかれば防犯カメラに映らない侵入口を把握することができるだろう。犯罪者にとって家の全容がわかる映像は、犯行計画を作るための絶好の材料になるのだ。
ロサンゼルスではセレブが狙われている
筆者は、セキュリティコンサルタントとして数カ国の日本大使館および総領事館に呼ばれ、海外安全セミナーの講師を務めてきた。昨年には、ロサンゼルスで強盗が度々発生しているとして、現地の日本総領事館で在留邦人や外交官に対しセミナーを行った。現地では昨今の治安に対し危機感を持っている。
最近のアメリカで多い強盗として、「Follow-home robbery」、直訳すると「尾行強盗」というものがある。これは昔からある手口ではあるが、ターゲットを定め、出先からついていき、ひと気のない場所に差し掛かったところで襲うという犯行だ。
空港などで身なりのいい人を見つけたときなど、目をつけた場所から車で追随し、タイミングを見計らって強盗におよぶ。
もし大谷選手を街中で発見し、あとをつける強盗が上空からの映像を見ていた場合、ターゲットの自宅情報は事前にわかっている状態だ。入念に準備をしたうえで、門から入るところを襲うことも容易いだろう。
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