米国IPOの古くて新しい主役“ドットコム銘柄” 2000年のネットバブル再燃はあるか?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


今年予定されているIPO全体の中でもドットコム銘柄のウエートは高い。投資アドバイス専門のルネサンス・キャピタルが数週間前に発表した資料によると、今年6月までのIPO74社中28社がインターネット関連であり、今年後半にはさらに31社が予定されているという。これは前回のネットバブル崩壊直前の2000年以来、最多だ。

だが、ここへ来ての株式暴落は、予定されているインターネット関連IPOにバケツで冷や水を浴びせかけた。8月第2週に公開が予定されていた11社中、8社のIPOが延期されてしまった。買い手がまったくつかなかったからだ。
 
 株価暴落前の11年第2四半期(4~6月期)には、シリコンバレーのベンチャーキャピタルを中心に01年以来最大の23億ドル(約1800億円)という資金がインターネット関連の新企業に投じられた。直近の複数の調査で、その投資の勢いが一時的にせよ鈍化していることが明らかとなっている。

LinkedIn、Pandora、RenRen(人人網、中国の大手SNS)などが華々しく登場した今年5月、6月には、インターネット関連銘柄にはバブル再燃懸念がピークに達したが、そうした注目企業の株価は公開数日後には下落してしまった。LinkedInとPandoraはそのあとすぐに値を戻し(RenRenは値を戻さなかった)、最近の株式暴落で再び下落した。

こうした株価の乱高下を受けて、インターネット関連銘柄の長期的価値がどの程度のものか、という疑問は高まっている。
 
 Groupon(グルーポン)は、今年9月に株式公開を計画しているが、かなりの逆風が吹いている。これまで収入は順調に伸びているものの、利益が一向に上がっていないからだ。同社は、LivingSocial(リビングソーシャル、SNS向けのクーポン共同購入サービス)とともに、ドットコム銘柄の中でバブルの典型例と見られている。いずれもIPOによって10億ドルの資金調達が期待されているが、将来の収益によってその価値を裏付けることは難しい。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事