TDKがスマートフォン向けに業界最高水準性能のコイルを量産化、本体の小型化にも貢献か
電子部品大手のTDKは、主に携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)に搭載され、回路に流れる信号を調整する役割を持つ積層セラミックコイルの新製品(=写真=)を開発した。すでに量産を始めている。
新製品は磁力を出す能力(インダクタンス)を従来比で1.5倍以上に引き上げ、基板実装段階での使用個数を減らせる。将来的にはスマートフォン本体の小型化に貢献することも想定される。TDKは新製品の投下により、世界的に拡大するスマートフォン市場で積層セラミックコイルのシェア拡大を狙う。
新型の積層セラミックコイルは、横幅0.6mm、縦0.3mm、高さ0.3mmの大きさの場合は、インダクタンスを業界最高水準の180ナノ(1ナノは10億分の1)ヘンリー(nH)として、従来品の110nHから大幅に引き上げた。携帯電話やスマートフォン等で使われる高い周波数域の調整が可能になった。
生産は国内の秋田地区で行われ、すでに一部のラインでは生産を開始している。サンプル価格は1個あたり10円を予定。当面の生産量は月200万個を目標としている。なお、氷点下55℃からセ氏125℃という幅広い温度域で使える高い耐久性は、従来品から維持したままだ。
(伊藤 崇浩 =東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら