【バーナンキFRB議長のジャクソンホール講演・専門家に聞く】デフレ懸念なく、追加の金融緩和措置の可能性低い



 
 99年に日本銀行へのアドバイスを行ったときもそうだったが、バーナンキは金融政策にやれることが必ずあるとしており、財政との連携が必要だとしている。その考え方はかつてのフランクリン・ルーズベルト大統領のような「政策総動員」ともいうべきものだ。今回の講演でも、税制・財政支出が投資や研究開発、インフラを促進することについても述べている。まさに、ルーズベルト流が必要だという強いメッセージだと思う。

--26日の米株式市場は一時急落したものの、その後、株価は回復しました。

バーナンキ議長は市場から信認されているということだと思う。ここが日本との違いだ。市場が自信を喪失しているなかで、改めて、中長期の米国経済の見通しに自信を失っていない点を強調した。長期の経済見通しという講演のテーマをうまく使ったと思う。欧州の状況についても、必要な適切な対応がなされると確信している、とし、真摯な印象を与えた。

ただ、今後も市場の混乱は懸念される。現実問題として、バーナンキ議長が期待したような財政運営がなされるかと言えば、政治的リスクは高い。共和党と民主党の議員によるスーパー・コミッティーで、11月の期限へ向けて、赤字削減のための税制改革、社会保障改革の議論が行われる予定だが、うまくいくはずがなく、混乱が避けられない。

--9月のFOMCで追加緩和策は打ち出されるのかどうか。

その可能性は低いとみている。銀行間市場で流動性が枯渇するという状況が生じているので、超過準備への付利金利を下げるといったことは考えられる。だが、現状では長期金利を下げるための追加措置を打つ必要はないので、ツイスト・オペ(長期国債を買い、短期国債を売却して、保有債券をより長期のものへ入れ替え)はやらないのではないか。バーナンキ議長は必要とあれば国債の追加購入をためらわないが、現状ではデフレ懸念が出てくる可能性が低いからだ。
(大崎 明子 =東洋経済オンライン)

photo:AgnosticPreachersKid CC3.0 BY-SA
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