「職場いじめからゴミ屋敷」住人の悲しすぎるSOS ふすまに殴り書きされた無数の「たすけて」の文字

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部屋の状態はそこに住む人の心の状態が反映される。

カロリーメイトの空箱をひたすらガムテープでぐるぐる巻き続け、ダンボールへ大量に溜めておくなんて普通の精神状態ではない。生ゴミを溜めてしまうようなことはなく異臭もしなかったが、トイレだけは動画には映せないほどに汚れていたという。

「私も部屋の状況から住人の女性は几帳面な方なんだと予想ができました。でも、これ(ガムテープで巻かれたカロリーメイトの空箱のこと)ばっかりは几帳面とかそういう問題ではないですよね。動機がわからないですし、精神的な問題が起因しているんだと思います」

ゴミ屋敷
住人が主に生活していたと見られる部屋(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
ゴミ屋敷
綺麗に片付けられた部屋(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

部屋からは娘の強い強迫観念を感じた

動機のわからない偏執的なこだわりは、過去にとりあげたゴミ屋敷でもいくつか見られた。

ゴミ屋敷連載
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たとえば、「『10年没交渉の弟が急死』姉が見たゴミ屋敷の全貌」で亡くなった男性が住んでいた部屋には、洗剤で綺麗に洗われた食品や弁当のトレーが入った小さいゴミ袋が、壁や天井の至るところに吊るされたビニール紐に大量に括りつけられていた。

男性は亡くなる直前までおそらく引きこもり状態にあったという。依頼主である姉は、「弟は几帳面な性格でした」と話していた。

すべての部屋が空になり、病室で娘が「探してほしい」と母親に伝えていた真珠のネックレスも見つかった。学校の卒業祝いか就職祝いか何かで、母親が娘に送ったモノだという。ハウスクリーニングも含めて5時間という軽めの作業だったが、現場で片付けをしたスタッフたちには重い感情が残った。

「ほこりが積もった静まり返った部屋でしたが、“誰か助けて”“なんで誰もわかってくれないの”という娘さんの強い強迫観念を感じました」

空っぽになった部屋を両親に引き渡してから、その後の連絡はない。

ゴミ屋敷
住人が大切にしていたという贈りもののネックレスも見つかった(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
ゴミ屋敷
キッチンも綺麗に片付いた(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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