フィギュアにM-1、「後攻有利」のジンクスは本当か 「50音順」や「誕生日順」の見直しも検討すべき

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全米経済研究所の調査[1]では、各投球の重要度が高まるとその後のストライクとボールの誤審率が増えることを示しました。

詳細な内容は割愛しますが、たとえば、序盤に重要度が1段階高い場面(3回裏2点ビハインドランナー2塁3塁など)があると、その後のストライク・ボール判定を誤る確率が1球あたり、0.71%高まるとされています。

また、最終回では序盤に比べて、誤審率が0.36%高まることがわかりました。

さらにこの研究では、ストライクとボールの誤審率はイニング間で休憩を挟むと低くなるとわかりました。これは休憩によって注意力が回復する(=プレーによって注意力が減少する)可能性が示唆されます。

羽生結弦とネイサン・チェンの世界新記録合戦

一方、体操やフィギュアスケートのような採点競技では、後半に重要な演技があるため、審査員は後半の選手の採点に注力していると考えられています。

2019年の世界フィギュアスケート選手権は、オリンピック連覇を果たした羽生結弦と前年の世界選手権を制覇したネイサン・チェンがデッドヒートを繰り広げる記念碑的な大会になりました。

羽生はショートプログラムとフリープログラムで合計300.97点を獲得。新採点方式では世界初の300超えの得点で、世界記録を更新しました。前人未到の大記録達成に選手権の優勝は目の前のようにみえました。

しかし、羽生の直後に演技を行なったチェンは、完璧な演技を披露。羽生が直前に出した世界記録を上回る得点を叩き出し、世界選手権連覇を成し遂げました。

世界新記録が連続して生まれるという大変レベルの高い大会になりました。それと同時に多くのフィギュアスケートファンは、滑走順が後のほうが有利であることを確信した大会でもあります。

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