イギリスの結婚式で「フクロウ」が大人気の理由 パンデミック以降「指輪を運ぶ役割」で活躍
ジュリエットは、たくさんの結婚式に出席してきたプロだ。幸せなカップルが誓いの言葉を交わしている間、彼女は暗い箱から出てきて、調教師ダンカン・ブレイクのグローブをはめた腕に飛び乗り、頭を270度回転させて周囲の状況を把握する。
甲高い音でジュリエットは突然動き出す。バサッ。2つの指輪が入った小さなポーチを細い足首に巻き付けて通路を飛ぶ。伸ばした翼の下に座っている人々がはっと息を呑む。数秒後、彼女は別の腕に着地する。多くは新郎の介添人の腕だが、新郎や新婦の腕の場合もある。
ハリー・ポッターが起源
しばらくの間は、ジュリエットが式の主役だ。指輪を届けるとブレイクの腕に戻り、褒美として鶏の足の生肉を受け取る。
そして部屋に入ってきたときと同じ素早さで退出。人間たちはカップルに注意を戻す。
ジュリエットがフクロウであることに、読者はもうお気づきだろう。結婚式で重要な役割を務めるよう訓練された、イギリスに何羽もいるフクロウの1羽なのだ。
結婚式にフクロウを登場させるアイデアは、それで生計を立てている人たちによると、イギリスで15年以上前に広まった。フクロウが魔法の世界で郵便を配達する『ハリー・ポッター』がフクロウ人気の直接的な由来だという。