式が一見複雑そうに見えますが、問題文をよく読んでみると「基本料金」「メーター使用料」は使った水の量にかかわらず一定であることがわかります。つまり、使用水量という1つの変数だけで料金の変化を表すことができるのです。
この問題でも、表を作って考えてみると視覚的なイメージがわいて問題が考えやすくなります。
地道な解き方が重要になる
このような棒グラフを描いて比較した際に、超過料金の差「332-276=56」で56円分が、1月と2月の使用水量の差である「4立方メートル」分になっているのです。このことから、問題のBは「56÷4」で14であることが分かります。
Bの値がわかると、次はCの値を絞り込んでいくことになります。問題文で「Cは10の整数倍で50以下」という文章があるため、Cの値は「10、20、30、40、50」のどれかであることがわかります。そして、Aも整数であるため、Cの値を色々と代入してみて、式が割り切れる値になるものを探す、というのがこの問題の進め方になります。
使用水量と水道料金を代入して式を立てると、「14A=110+C」となるため、110+Cが14の倍数になるようなCの値を探します。条件を満たすのはC=30しかないため、それを代入してA=10という値が求められます。東大で出されるような入試問題でも、このような地道な解き方が大事になることもあるのです。
基本料金は、知らず知らずのうちに値上げされている場合があります。皆さんも、特に確認をせずに毎月水道を利用していて、ふと「高くなっているな?」と疑問に思ったことがあるかもしれません。そのような値段の推移も、数学を使って解析することができるのです。
東大をはじめとした難関大学の入試問題は、単に式を計算したり、公式を利用して問題を解いたりするだけではありません。より深く、数学がどのように世の中の役に立っているのかを説明するような問題であふれています。時間があるときに、ぜひ挑戦してみてください。
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