金利上昇すると「資産価格が下がる」納得の仕組み 東大名誉教授が経済学的視点で教える投資知識

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(写真:カッペリーニ/PIXTA)
5月28日、長期金利は1.035%を記録し、2012年4月以来、約12年振りとなる高水準を更新しました。短期金利については緩和的な金融政策が続いていくなか、市場では年内に数度の利上げが行われると予測する見方が強くあります。
金利の上昇は今後どのような影響をもたらすのでしょうか。本記事では東大名誉教授で経済学者の井堀利宏氏に、金利上昇が与える資産価格への影響、特に経済学的視点から株式、債券、不動産などの投資に役立つポイントを解説してもらいました。
※本記事は、書籍『超速・経済学の授業』から一部抜粋・加筆したものです。

将来の収益は現在価値で考える

一般的に、世の中の金利が上がると株式や債券のような金融商品の資産価格は下がります。この現象についてなぜなのか考えてみましょう。

まず、株式や債券のような金融資産は将来的に収益を得られるものですが、その収益は現時点での価値に置き換えて考える必要があります。そうしないと、正しく価値を把握できないためです。

これを現在に「割り引く」といいます。

「割り引く」とは例えば、2024年における100万円の価値と、2025年での100万円の価値は異なります。なぜなら、世の中に金利があるからです。

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