パレスチナの子どもが直面するむごい現実 逃げ腰の米国頼みでは中東和平は実現しない

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欧州の政治家などから成る有識者グループは5月に欧州連合(EU)首脳らに提案書を送り、米国が逃げ腰な中で、欧州は独自に平和への道筋を復活させる役割を担うべきだと主張している。背景には、欧州各国でパレスチナ国家樹立への支持が強まっていることがある。

イスラエルがするべきことは

提案書の核を成すのが、EUが推奨する国連安全保障理事会の決議であり、次のいずれかを盛り込むことが求められている。1.新たな和平交渉の呼びかけ、2国共存の実現へ向けた合意文書の制定期限設定。2.イスラエルとパレスチナの平等な関係、国家としてパレスチナを認めること、パレスチナの国際的な条約や機関への加盟の推進。

話し合いを先延ばしにすればするほど武力紛争の終結は困難になり、悪感情もぬぐい去りにくくなる。イスラエルはハマス、ファタハ、PLO(パレスチナ解放機構)と真剣に話し合わなければならない。

さもなければ子どもたち、それも大半はパレスチナ側の子どもたちが苦しみ続けることになる。世界はいつまで無視できるだろうか。

週刊東洋経済2015年7月11日号

クリス・パッテン 英オックスフォード大学名誉総長

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Chris Patten

元英国保守党議員で最後の香港総督。欧州委員会外交専門部会委員、英オックスフォード大学総長を歴任。

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