政府は飲酒や喫煙、ギャンブルのような常習的行為に規制や税をどの程度課すべきか。多くの国々での論点だが、世界の消費文化の生みの親である米国では現在、この論争は子供の肥満という流行病との闘いに向けられている。
子供の肥満は先進国が直面する公衆衛生上の主要な問題の一つであり、新興国にも急速に影響が及んでいる。しかも解決するには、広範なワクチン接種、飲料水へのフッ素添加、自動車の安全規則など、20世紀の公衆衛生上の政策成功例よりもっと困難な課題が控えている。
米国で行われる「教育キャンペーン」
肥満で世界のトップを走る米国は、肥満論争でも最先端を走る。ミシェル・オバマ米大統領夫人の「レッツムーブ」教育キャンペーンは1世代で子供の肥満をなくそうとしている(成果はまだ明らかでない)。ほかにも、シェフのジェイミー・オリバーなどの有名人による訴えに加えて、「セサミストリート」に触発された「キッキングニュートリション(すばらしい栄養)」(情報の全面開示で、考案者は私の妻)など、仲間同士の学びを基礎とする学習を利用する試みもある。
ただし、過剰な消費を引き起こす潤沢な資金と強い動機を持つ食品大企業が支配する環境で、教育だけで十分かは未知数だ。
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