なぜ東大女子は少ない?知られざる卒業生の本音 「高学歴女子への逆風」を乗り越えるヒント

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「少なくとも日本国内で通用する社会人としての基礎を学べる環境、加えて社費留学の機会に恵まれた」
「海外勤務を2回できたのでそのような機会も含めて考えるのは良いと思います。子どもに海外経験をさせられるのはかけがえのない機会です」

さらに学生時代にやっておけばよかったことの中に、専門性を磨くことや英語の勉強をあげる人もいた。

職業選択も多様化する時代だが、まだまだ女性が働きやすいとはいえない中、結果的に東大卒女性たちが「大企業頼み」になっている様子がうかがえる。

結婚出産に際して仕事をやめるか否かの二択ではなく、育休制度や職種を変えながらも仕事を続けていく。そして専門性を身につけて独立や次のステップへと繋げていくという考えを、多くの東大卒女性がもっていた。

東大卒女性が直面する親や周りの期待と呪縛

キャリアにおけるアンケートの中で印象深かったのが、まさに「言葉の逆風」に抗するような、「親や周りにまどわされないで」というメッセージだ。

「親の言うことに従わず、世間の陰口に怯えず、自分の信じる道を進んで」
「周囲の期待や条件面に左右されることなく、自分がこれは面白そう、意義がある、やってみたいと感じられる仕事に挑戦して下さい」
「組織として社会に貢献しているかより、自分の長所を生かして働けるか、という観点で職場を選んでほしい。自分が成長・活躍できない職場では、自分自身が社会に貢献できるようになることはあり得ない」

東大ママ門の周囲を見渡すと、東大卒女性の中には、親などに敷かれたレールの上を走り、外からの評価を受け続け、周囲の期待に必死に応えようとしてきた人も少なくない。しかしアンケートからは、他人の目よりも自分の好きや得意を生かす道をすすめる声が多く見られた。キャリアと結婚育児の両立を経験するなかで、価値観を変えていった人もいるのかもしれない。

(後編に続く)

東大ママ門 東大卒ママの同窓組織

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とうだいままもん / Todai mamamon

団体概要:2011年のホームカミングデーをきっかけに発足した東大卒業生の同窓組織。Facebookグループには0歳~小中学生の子を持つ母親を中心に、20~50代の東大卒業生560人が登録。「子育て中だが、会社内にはまだロールモデルが少ない」などの悩みを、同じ大学出身という共通基盤の下にFacebookのグループページ(非公開)で共有したり、オフ会、勉強会などで情報交換している。立ち上げの経緯はこちら(リンク)。

立ち上げ人:中野円佳。2007年、東京大学教育学部卒。『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)著者。同著では制度が整ってからも総合職女性が活躍しづらい社会構造を指摘。高学歴女性の抱えるジレンマについて触れている。

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