お金がなくても「運動で幸せになれる」研究結果 運動するグループと運動しないグループで調査

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また、純粋に運動として見れば、家事や育児などにもリフレッシュ効果はあるようなのですが、それがあまりに長く続くと、自分の思いどおりに時間を使えないなどの理由からストレスが大きくなるのでしょう。

運動するのは大事。

でもしすぎない。

これが大切だということです。

自然との触れ合いもほどほどに!?

運動だけでなく、自然との触れ合いも「ほどほど」がいい可能性がありそうです。エクセター大学のマシュー・P・ホワイトら[4]は、約2万人を対象に、レクリエーション的な自然との触れ合いと、健康や幸福度との関連を調査しています。

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すると、過去1週間で自然との触れ合いがなかった場合と比較して、自然に触れた時間が週に120分以上の被験者は、特に健康状態もよく、幸福感を覚える結果が出ています。

ここまでは、自然の力を感じさせる結果になっていますが、問題はそれより長い触れ合いです。健康や幸福度への効果は、200〜300分の接触がピークで、それ以上は効果が上がらない結果が出ています。

これは、あくまでも「上がらない」というだけで、運動とは違って「自然と触れ合いすぎると健康に悪い」という話ではありません。

しかし、どちらにしても、効果が少ないのであれば、貴重な時間の使い道は他にもあるので、週に120分で十分ということになります。

さまざまな研究の結果にならって、週に120分の範囲で、緑がある公園や街路樹のある道、神社などの自然の中を散歩して、運がいい人になりましょう。

<参考文献>
[1] Bratman, G. N., Hamilton, J. P., Hahn, K. S., Daily, G. C., & Gross, J. J. (2015). Nature experience reduces rumination and subgenual prefrontal cortex activation. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 112(28), 8567-8572.
[2] Hunter, M. R., Gillespie, B. W., & Chen, S. Y. (2019). Urban Nature Experiences Reduce Stress in the Context of Daily Life Based on Salivary Biomarkers. Frontiers in Psychology, 10.
[3] Chekroud, S. R., Gueorguieva, R., Zheutlin, A. B., Paulus, M., Krumholz, H. M., Krystal, J. H., & Chekroud, A. M. (2018). Association between physical exercise and mental health in 1·2 million individuals in the USA between 2011 and 2015: a crosssectional study. The lancet. Psychiatry, 5(9), 739–746.
[4] White, M. P., Alcock, I., Grellier, J., Wheeler, B. W., Hartig, T., Warber, S. L., Bone, A., Depledge, M. H., & Fleming, L. E. (2019). Spending at least 120 minutes a week in nature is associated with good health and wellbeing. Scientific Reports, 9, 7730.
堀田 秀吾 明治大学教授

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ほった しゅうご / Syugo Hotta

言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。研究の一方で「学びとエンターテインメントの融合」をライフワークとし、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書等を多数執筆、テレビ番組にも出演する等、多岐にわたる活動を展開している。

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