「大麻常用」がアルコールを上回った米国の大誤算 「大麻合法化で飲酒被害軽減」の理屈は崩壊

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精神病症状の発症リスクは、25歳未満で大麻を使用する人、頻繁に大麻を使用する人、遺伝的素因を持つ人(精神病性障害を抱える親や兄弟いる人など)、幼少時の虐待、貧困、ネグレクトといったストレスの多い出来事を経験した人たちの間で高くなる。

娯楽目的で大麻が合法化されている州では、21歳以上であれば誰でも大麻を購入できる。

大麻を頻繁に使用する人は、大麻中毒だけでなく、反復性の嘔吐を引き起こすカンナビノイド悪阻症候群を発症するリスクもあると専門家らは話している。

政府の規制緩和と矛盾する研究結果

今回の最新研究は、マリファナ(大麻)を最も規制が厳しい薬物カテゴリーの「スケジュールⅠ」から、低〜中等度の乱用リスクがあるとされる薬物が含まれる「スケジュールⅢ」に格下げしようとする最近のバイデン政権の動きに続いて発表された。

「薬物使用と健康に関する全米調査」では、頻繁に大麻を使用する人たちが購入した製品に含まれるTHC濃度に関する情報は収集されておらず、回答者が毎日大麻を何回使用したかについても触れられていない。

全米大麻産業協会(NCIA)の共同創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるアーロン・スミス氏は、「仕事を終えて帰宅してから大麻を吸引したり、眠りに就くためにグミを口にしたりする人は多い」とし、そういった日常的でカジュアルな使用に問題は見当たらないと話した。

一方で、一日中大麻を使用している若者も存在し、そういった人たちは「ちょっと一服するだけの人よりもはるかに多くのTHCにさらされている可能性がある。そういったさまざまな集団を観察すると、大麻が精神と体の健康に及ぼす影響はまったく違ったものになってくるだろう」と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校大麻・カンナビノイドセンターのジバ・D・クーパー所長は話した。

(執筆:Christina Caron記者)
(C)2024 The New York Times

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