静岡知事選も「自民敗北」、麻生政権末期と共通点 支持率低迷、総裁選に向け"岸田離れ"も拡大

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選挙結果も踏まえ、国会は週明けから「政治改革」が最大の山場を迎える。裏金事件を受けた政治資金規正法改正案をめぐり、与野党協議が大詰めとなるからだ。自民が単独提出した改正案には、野党が「はしにも棒にもかからない内容」と反発。自民も知事選敗北でさらに追い込まれるのは避けられそうもない。

反転攻勢の手がかりなく、「菅退陣」と同様の展開に

過去を振り返ると、菅義偉前首相も2021年4月の「衆参トリプル選」で「全敗」。東京五輪・パラリンピック開催中の同年8月に、地元・横浜市長選に出馬した腹心が野党系候補に惨敗したことで「菅首相では選挙を戦えない」との声が高まり、翌9月の総裁選直前の退陣を余儀なくされた。

それから3年が経過するが、現状をみる限り「岸田政権もまったく同じ経過をたどっている」(政治ジャーナリスト)ようにみえる。さらに、自民中堅議員の多くは「地方選が政権の息の根を止めていく点では、政権交代につながった麻生政権末期とも似ている」とため息をつく。たしかに、2009年の麻生政権は同じ静岡知事選で野党系候補に敗れた約2週間後に衆院を解散し、8月末の選挙で大惨敗して野党に転落している。

そうした中、岸田首相周辺は「支持率も少しずつ上がり始めている。6月には定額減税が実施されるし、野党もバラバラなので、麻生政権の時とは違う」(岸田派幹部)と力説する。しかし、与党内の反応は極めて冷たくなるばかりで、「政治資金規正法改正で余程思い切った対応をしない限り、反転攻勢の手がかりは掴めない」(自民長老)というのが実態だ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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