終盤を迎えた「政治改革」国会の最大の焦点だった自民巨額裏金事件再発防止のための政治資金規正法改正を巡る与野党協議が、5月31日に事実上決着した。自民党の再修正案を公明党と日本維新の会が、それぞれの立場から評価し、3党の賛成で会期末までの関連法成立が確実となったからだ。
岸田文雄首相(自民総裁)の「独断」を受けての“自公維談合”の結果で、立憲民主、共産両党などは「抜け穴だらけ」と強く反発しているが、自民再修正案を踏まえた関連法案は、6月4日に衆院政治改革特別委と本会議で可決、衆院通過し、参院同特別委の審議を経て会期内の6月中旬には成立する見通しだ。
これを受け、与野党の会期末攻防による政局緊迫化は回避される方向で、岸田首相も「会期末解散は見送る意向」(側近)とみられている。このため、秘かに会期末の衆院解散断行を模索してきたとされる岸田首相は、国会閉幕後、9月の自民総裁選での再選を目指し、党・内閣人事断行も含めた求心力の維持・強化に腐心する構えだ。
ただ、今後の内閣支持率の推移や、小池百合子東京都知事と蓮舫元旧民進党代表の激突となる見通しの7月7日投開票の都知事選の情勢なども絡んで、「政局は、なお一寸先は闇の不透明な状況」が続くことは間違いない。このため、与野党幹部の多くが国会閉幕前後から8月にかけて、首相の言動に神経を尖らせる事態となりそうだ。
「公開基準5万円超」「政活費10年後公開」を公・維評価
調整難航で会期延長論もささやかれていた政治資金規正法改正を巡る与野党協議は、岸田首相が5月31日に公明、維新両党と個別に開いた党首会談で、両党の主張を大幅に取り入れた再修正案を提示し、両党も提案を評価して関連法の会期内成立に向け協力することを確認した。
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