6大事業グループのなかで、1~3月期に売上高を最も大きく伸ばしたのは海外EC事業の「インターナショナル・デジタル・コマース・グループ」だった。同四半期の売上高は274億4800万元(約5932億円)と前年同期比45%増加し、総売上高に占める比率が12.37%と前年同期より3.29ポイント上昇した。
とはいえ、同グループの1~3月期の調整後EBITAは40億8500万元(約883億円)の赤字であり、損失額が前年同期の21億7100万元(約469億円)から大幅に増加、収益性の改善が急務になっている。
一方、1~3月期に利益面のパフォーマンスを大きく向上させたのがクラウド事業の「クラウド・インテリジェンス・グループ」だ。同四半期の売上高は255億9500万元(約5532億円)と前年同期比3%の伸びにとどまったが、調整後EBITAは14億3200万元(約309億円)と同45%の大幅増益を達成した。
その背景についてアリババは、(利益率が低い)プロジェクト・ベースの受注を減らしてパブリッククラウドに集中し、プロダクトミックスの改善と経営効率の向上を図った成果だと説明している。
自社株買いに約2兆円投入
構造改革を断行して成長の再加速を目指したアリババだが、過去1年の株価の推移を見る限り、資本市場から評価されているとは言い難い。
アメリカのニューヨーク証券取引所に上場する同社のADR(アメリカ預託証券)は、2023年3月末時点で1単位当たり102.18ドル(約1万5984円)だったが、通期決算発表後の2024年5月14日の終値は79.51ドル(約1万2438円)と2割以上低い水準にある。
そんな中、アリババは株主への積極的な利益還元をアピールしている。2023年度は総額125億ドル(約1兆9554億円)もの自社株買いを実施し、流通株式の6.42%相当を買い戻した。
さらに今回の決算では、株主に対して通常の普通配当とともに特別配当を支払うと発表。配当金の総額は約40億ドル(約6257億円)に上る。
(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は5月15日
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