姿勢や立ち居振る舞いの「お作法」と同じで、まとめ方や伝え方の「お作法」を心得ていると仕事の成果と評価につながるようです。
今回は“本当にデキる人”が使う、まとめ方・伝え方のお作法について考えていきたいと思います。
「2つあります」はイマイチな伝え方
冒頭の「2つあって~」という発言は、一瞬で2つに整理できるなんて頭の回転が速いんだと思われがちですが、人間はみな短い時間でも2つのことまでは思いつくもの。頭の中にぽっと2つ思い浮かんだだけで、まだ考えがまとめきれていない状態です。
頭に思い浮かんだことを即座に口走るのは、なんちゃってデキる人が使ういまいちな伝え方なのです。本当にデキる人は、「2つあります」とはまとめません。結論は1つ、2つの軸で整理して、3つにまとめます。
①結論はひとつ
話の結論や目的、目標はひとつにまとめて最初にドン!と示したほうが、相手にインパクトを与えられるし、わかりやすい。冒頭から「2つあります」では締まりがなくなります。
②2つの軸で整理
現象や問題を整理するときは、対になる2つの軸を使います。「2つあります」は整理の軸で使うべき。軸は対義語、反対語の組み合わせが使いやすいでしょう。たとえば、顧客層を「品質重視」と「価格重視」の2つの軸で整理してニーズを把握するというような具合です。考えが自然と整理されませんか。
③3つにまとめる
「見ざる、聞かざる、言わざる」「~のABC」「人民の人民による人民のための政治」……。科学的な根拠はわかりませんが、人間の脳は「3つのリズム」が大好きです。「2つあります」からもうひとつひねり出して「3つあります」にするのが、相手に納得感を与えるまとめ方です。たとえば「顧客のニーズとわが社の立ち位置、そして他社の動向という3つの観点から説明します」という言い方です。
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