「残業代アップ」は先生のなり手を増やすのか みなし残業代一律引き上げに「仕事を減らして」

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公立学校の教員定数は、児童・生徒が減るのに伴い減らす仕組みとなっている。このところ、少子化で全国的に児童・生徒は減り続けている。

ただ、児童・生徒がどれほど減るかは、すでに雇われている教員が何人いるかとは関係ない。児童・生徒の減り方が大きいと、教員定数も大きく減らすことになる。そうなると、公立学校の教員にとって、教員定数を維持できるかどうかは死活問題である。

その上、教員が多忙であるということで、その1人当たりの業務を減らすには教員を増やさないといけないということすら要望として出てくる。

文科省は、教員定数を増やすことで予算規模が大きくなる。教員たちから上がる、教員定数を増やしたいという要望に応えることで、教育現場に文科省の意向も通しやすくなるとの思惑も見え隠れする。

定員維持をめぐる攻防を文教族が応援

しかし、財政難の折、教育費を文科省の言い分通りに増やすというわけにはいかないという財務省の査定の眼がそそがれる。教員定数を増やすには、それだけ人件費が必要だから、当然予算を増やす必要がある。真に必要な教員定数なのか、その根拠が問われる。

文科省は教員と結束して、教員定数を増やす要求を突きつけ、これに財務省が厳しく査定するという構図となる。このときばかりは、教育方針で一枚岩でない文科省と教員も、「呉越同舟」である。

そこに、文教族の国会議員がからんでくる。予算政府案の決定に影響力を持つ与党議員の立場で、この文教予算の増加を積極的に応援してくれるのが、文教族の国会議員である。

文部科学大臣を筆頭とする文科省の政務三役の経験者から文教分野に詳しい議員までがずらりと名を連ねる。彼らが、文教予算の増額を財務省にのませる。そうして、教員定数はこれまで、少子化で児童・生徒数が減るほどには減らないように維持され、予算がつけられてきたのである。

ちなみに、文教族の国会議員は、旧安倍派で積極財政を支持する議員が中心的な存在になっている。今般の裏金問題が、この構図に今後何らかの変化をもたらすのかどうか、未知数である。

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