忙しくても神社に行く人が成功者になれる理由 近所に寺院・神社があるだけで人生に好影響

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この論文の結論を言うと、小学生の頃、近所や通学路に寺院・地蔵・神社があると人への一般的信頼や互恵性・利他性が向上します。

互恵性とは、与え合いの精神。自分のメリットだけを追わず、お互いのメリットになる行動を取れる人間性です。利他性は他者のメリットや幸福のために行動できる人間性をあらわします。

人への一般的信頼や互恵性・利他性は、所得の向上には関係しませんが、幸福度と健康の向上にはプラスの影響を与えます。要するに子供の頃、身近にお寺・お地蔵さん・神社があった人たちは、なかった人たちよりも、ちょっと幸福で、ちょっと健康なのです。なぜなら、人と信頼関係や与え合いの関係を築ける可能性が高いからです。

身近に社寺があると、人のいい部分を知ることができる

「ただ存在するだけで、そんな影響があるのか?」と不思議に思う方もいるでしょう。

実は、「社寺がある地域は住民の地域愛が増す」という論文もあります。それとの共通点を申し上げると、「人間をより良く(善く)思うこと」です。

地域愛が増す要因は、その地域住民がいい人だと知ることです。「うちの近所はいい人が多い」(だから近所はいい環境)と思える状況です。会社でも、「うちの職場はいい人が多い」(だからいい職場)と思っている方も多いでしょう。

人を一般的に信頼するのも、信頼に足るいい人だと思えるからです。つまり、社寺があると、どういうわけか、その社寺の参拝者や社寺の近所の人達は「参拝者はいい人が多い」「周りの人間はいい人が多い」と、人々のいい部分を「知る」のです。

世界中の人々がいい人、とまで思えるかは不明ですが、自分が住む社会の人達については、いい人な部分を知るようです。

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