外国人労働者が日本を働き先として選ばない理由 日本よりも韓国が賃金も文化も魅力的という現実

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私が経営する日本語学校では、全生徒に次のように伝えるようにしています。

「日本では1年で100万円を貯金できるかもしれません。10年働けば1000万円になります。今の皆さんにとっては大金ですが、今のミャンマーで1000万円で何が買えるでしょうか。ヤンゴン郊外の小さなアパートがやっと買えるぐらいです。それを買えば何も残りません。日本に行って少し給料の高いところに転職しても、例えば1000万円が1500万円になれば金額は大きいと感じるかもしれませんが、一生お金に困らない金額にはなりません。目の前の賃金に惑わされず、長い人生の中で自ら稼げるようになるよう、日本で働き、生活してほしいと願っています」

 

日本を理解してもらう努力こそ必要

日本の厚生労働省は「賃金引き上げ特設ページ」を公開するなど、ベースアップを推進していますが、現実的に賃金を上げることは企業にとって簡単なことではありません。

日本で働く魅力や生活を、ミャンマーをはじめ海外の方々にもっと知ってほしいのですが、日本人が思っているほど海外の人たちは日本を知りません。日本の国際交流基金など、日本の魅力を伝える活動を行っている機関はありますが、韓国に比べれば予算が1桁も2桁も違うと聞きます。

日本のことを理解していないような外国人を受け入れるだけでは、日本国内でも受け入れを理解されず、ひいては治安の悪化にもつながりかねません。日本の魅力を理解し目的意識をしっかり持った外国人に日本を選んでもらえるような努力を、日本も十分にすべきではないでしょうか。

西垣 充 ジェイサット(J-SAT)代表

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にしがき みつる

ミャンマー専門コンサルティング会社「ジェイサット(J-SAT)」代表。大手経営コンサルティング会社から、1996年4月に日系企業のヤンゴン事務所に転職。98年に独立し、同地にてJ-SATを設立。企業のミャンマー進出支援やミャンマーでは最難関の日本語学校を運営、ミャンマー人エンジニアや日本語が話せる技能実習生・特定技能生派遣など、一貫してヤンゴンに常駐してビジネスを行う。

ジェトロ・プラットフォームコーディネーターや大阪府ビジネスサポートデスク、福岡アジアビジネスセンターなど公的機関のアドバイザーも務めるミャンマー支援の第一人者。

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