「まぶた欠損」1歳息子をYouTube配信、両親の決断 「おもちくん」のただただ幸せな日常を流す意味

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それはどういうことか。

「自分の子に障がいがあって生まれてほしいと思っている親はいないですよね。ショックを受ける気持ちは当然です。でも、子どもにそれは関係ない。障がい児の母親となった私の人生と、おもちくんの人生は別ものです。自分の人生だから、ショックを受けたり人をうらやんだりする気持ちは認めてあげたい。でも、親としての責任を忘れず、おもちくんの人生もしっかりサポートしていきたいと思っています」(しほさん)

そんなの綺麗事だと思う人もいるかもしれない。わが子の悩みに対して前向きに生きられる人ばかりではないだろう。でも、「たとえ綺麗事でも、それが本当になったらよっぽどいいじゃんって僕は思いますね」。超ポジティブな孝輔さんが思いっきり笑い飛ばした。

未来くんの“表情”から読み取れたこと

パパの手を握る、未来くんの小さな手(写真:両親提供)

未来くんは現在、1歳4カ月を迎えた。障がいの影響はわからないことが多く、検査を重ねているが、診断名もいまだついていない。

それでも、身長87㎝、体重10.8kgとなり、同年齢の子の中でも大柄なほうだ。孝輔さんの口の動きを真似したり、おもちゃのピアノを弾いたり、元気にたくましく成長している。

「あ、未来が泣いてる。パパちょっと見てくれる?」

取材中、しほさんが孝輔さんを促した。はた目には未来くんの表情に変化は見られない。呼吸を確保するために生まれたときから気管を切開しているので、未来くんは声を出せないのだ。また、まぶたを閉じることができないため、目で表情を作ることも難しい。でも、2人には未来くんの「泣いた」「笑った」などの感情の変化がわかるという。

帰り際、「よかったら、おもちくんに触ってあげてください」と声をかけていただいた。しほさんと孝輔さんに愛おしそうに見つめられた未来くんの小さな手を握る。

はた目ではなく正面から向き合うと、その空気感から確かに彼が笑っているのがわかった。それは、ただただ幸せそうな子どもの笑顔に見えた。

折野 美佳 東洋経済 編集者

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おりの みか / Mika Orino

週刊誌の編集者を経て、2019年に東洋経済新報社に入社。2022年より東洋経済オンライン編集部。

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