「まぶた欠損」1歳息子をYouTube配信、両親の決断 「おもちくん」のただただ幸せな日常を流す意味
「使えるものは使ったらいいじゃんと思うんですよね」。孝輔さんは言う。
「おもちくんには将来自立してもらいたい。YouTubeはその足掛かりになればと思って始めました。親子3人でずっと家の中に引きこもって、ひっそり生きていこうと思えばできます。でも、隠していても何のメリットもない。むしろ、家ではたくさん愛されてハッピーだったのに、将来進学したときなどにいきなり世間の厳しい目に晒されるほうがダメージは大きい。小さい頃から皆さんに見ていただいて、『人と違うからいいんだぞ』と伝えていきたいんです」(孝輔さん)
そう考えるようになったのは、作家の乙武洋匡氏の存在が大きいと話す。
「乙武さんが街を歩いていて、『うわあ』と言う人ってあまりいないですよね。『あ、あの有名な乙武さんだ!』ってなると思うんです。将来、おもちくんも可哀想な人ではなく『おもちくんだ!』と思われてほしい。有名になることで可能性が広がると思っています」(孝輔さん)
すでにたくさんのファンがいる未来くんだが、これから心ないことを言う人もいるだろう。それでも、「そういう人は、きっとリアルでもひどい言葉を投げかけてくる人。それだったら、アンチを恐れるよりも、発信し続けて仲間を増やしていったほうがいいと僕は思う」(孝輔さん)。
他の子をうらやましいと思う気持ちを認める
“人と違う”子の中には、未来くんのようにオンリーワンの個性や見た目にわかる特性を持つ子だけではない。
2022年に公表された文部科学省の調査によると、公立小中学校の通常学級で「知的発達に遅れはないものの学習または行動面で著しい困難」を示す発達障害の可能性がある子は8.8%。前回調査の10年前よりも2.3ポイント増えているという。見た目にはわからないけれど他の子とは違う、発達障害といった特性について悩む親もいる。
筆者も生後7カ月の息子を育てているが、わが子の発達にいちいち敏感になり、「他の子よりも遅れているのでは」「発達障害があるのでは」と不安になったり検索魔になったりしてしまうことが多々ある。
「人と比べてしまうのは当たり前。私も『おもちくんは人と違っていい』と思っている反面、周りの子と発達の違いが出てくるようになって落ち込むことがあります。でも最近、『他の子をうらやましい』と思う自分の気持ちを認めてあげようと思ったんです」(しほさん)
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