Apple Musicは「ラジオ」機能が秀逸だった 音楽産業に利益をもたらす仕組みに育つか

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「Radio」タブでは、iTunes Radioも刷新され、日本でのサービスも利用できるようになった。例えばJ-POPのトップヒットやクラシックなど、取りあえず選べば音楽が聴け、気になる楽曲を見つけることができる。

Radioタブの目玉はロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンから生放送される「Beats 1 Radio」の開局だ。世界中の人々が1つの生放送ラジオ曲を楽しむという状況がユニークだ。

もちろんこれらの都市だけが音楽のトレンドを決めているわけではないが、日本からBeats 1を聴くと、英米でどんなトレンドがあるのかに触れる事ができるはずだ。状況によっては、東京がこの生放送の拠点に加わる日も来るのかも知れない。

ラジオでもアルバムのジャケットを表示

アップルがこのラジオを開局する点は、音楽産業そのもの、音楽文化そのものへの踏み込んだ関与を行おうという意志を読み取ることができる。
生放送ながら、音楽が流れているときには画面にアーティスト名と楽曲名、アルバムのジャケットが表示され、そのアーティストをフォローしたり、プレイリストに追加したり、マイミュージックに追加することができる。

リスナーが自由に音楽を楽しむようになったApple Musicにおいて、共通の話題やトレンドを作り出し、CDセールスが主だった時代のいわゆる「ヒットソング」を作り出す仕組みになりうるのだ。

これは、アーティストにとっても、レーベルにとっても、収益の面で非常に重要な「Apple Musicに関わる理由」を作り出すことになる。

あとは、アップルが、どれだけ新時代の音楽リスナーを作り出すことができるかが焦点になる。例えば、初期ユーザーの無料期間が終わる2015年10月以降の動向に、引き続き注目していきたい。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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