若者は、なぜLINEで人を傷つけてしまうのか コミュニケーションに「4&4のチェック」を
「自分のツイッターやインスタグラムなどは、何気ないゲームの1つとして考えていた」
「僕の発していることなんて、そんなに影響力があるわけないし、わざわざ考えて発信する必要なんかあるのかなと思っていた」
「私はマスコミ関係に就職するつもりは無いから、情報発信の仕方は知らなくても良いと考えていた。なので、自分も発信者ということを知り、衝撃を受けた」
失敗をしない手立てはあるのか
大学で情報系の授業に関心を持って選択している若者たちにして、この認識。これはマズい。自分の何気ない発信が誰かを傷つける可能性など全く想像せずに、他人の噂話を流布したり、未確認情報をノーチェックでリツイートして、《誤報の再生産》に加担もしかねない。教え子からそんな加害者を量産してしまったら、私も涼しい顔はしていられない。
これでは、地雷原をそうだと知らずに無邪気にワ~イと駆け回っているようなものだ。たまたま地雷を踏んでしまった者だけが「バカッター」(SNSへの無神経な書き込みや悪ふざけ動画のアップなど)と指弾されているが、いったい世の中には、どれだけ大量にその予備軍が控えているのだろうか。
これは決して、若者たちだけの話ではない。ご存じの通り、いい歳をした政治家も、企業人も、しばしば軽率な発信や発言をして血祭りにあげられている。あるいは、おかしな受け取り方で、起きなくてもいい喧嘩が炎上し、リアルな時間を果てしなく浪費したりもしている。
かく言う私自身も、実はTwitterなどで何度かヒヤリとしたことはあり、本当はエラそうに学生たちに説教できる立場ではない。自戒をこめて、「一緒に気をつけようね」と言うのが関の山だ。
――でも、どうやって「気をつけ」ればよいのか?
実は、以上述べてきたようなリアル社会の空転やネット社会の失敗を確実に減らす手立ては、ある。リアルなら「相手の発言を聞く時/自分が何か物言う時」に、ネットなら「受信/発信をする時」に、ほんのいくつかの定型の事前チェックを己に課せばよいのだ。
例えば、話を聞く時・受信する時には、「まだわからないよね?」とか「他の見え方もないかな?」と心の中でつぶやこう。物を言う時・発信する時には、「キメつけてないかな?」とか「キズつけてないかな?」と自問しよう、などだ。
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