「1日1切れの魚」が中高年に必須な"科学的裏付け" 医師が勧める「50歳前後から変えるべき食習慣」
そして、女性の場合、女性ホルモンの関係で更年期の頃からLDLコレステロール値が上がりやすいことがわかっています。
『最新予防医学でここまでわかった 50歳からの病気にならない最強の食生活』より
ということで、50代になったら(くどいようですが早いに越したことはありません)、食生活をちょっと変えてほしいのです。
UCLA准教授の津川友介さんは、病気のリスクを下げる健康習慣をまとめた『ヘルス・ルールズ』の「食事」の章で、「何を食べ、何を食べるべきではないか」を端的に紹介しています。引用させてもらいましょう。
逆に、健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と考えられている食品は、①魚、②野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)、③茶色い炭水化物、④オリーブオイル、⑤ナッツ類の5つである。
『HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』より
なかでも「健康に良い食べ物の筆頭」に挙げている魚については、67万人のデータから導き出された研究結果として、魚の摂取量の多い人ほど死亡リスクが低く、1日60gの魚を食べていた人は、まったく食べていない人に比べて12%死亡率が低かったことを紹介しています。
スーパーなどで売られている鮭や白身魚などの切り身1切れが80g前後ですから、1日1切れで60gはクリアできます。刺身であれば、3~4切れでしょうか。それだけで死亡リスクを下げられる可能性があるのです。
中高年以降は「魚ファースト」に切り替える
循環器内科医の池谷敏郎さんも『「100年心臓」のつくり方』で、「『心臓の健康』といったらコレ!」と、EPAとDHAを挙げます。
EPA、DHAはアジ、イワシ、サバといった青魚に多く含まれる油です。
EPAは末梢血管をしなやかに開いて、血小板の活性を抑え、血流をよくしてくれる働きがあり、DHAは脳に働きかけて、うつ病や認知症の予防に役立つ可能性がある、と池谷さんは説明します。
さらに、EPA、DHAには中性脂肪やLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きもある、とも。実際、中性脂肪値の高い人に使われる「ロトリガ」という薬の主成分は、EPAとDHAなのです。魚がいかに大事か、わかっていただけたでしょうか。
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